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寒い調律 [調律]

寒い日が続きます。

これだけ寒いと身心に影響しますね。
寒さには強い方でしたが年々耐え難くなってきましたのは、気候変動のせいであると認識しております。


さて、寒い季節にはそれ相応の影響が出るものですが、勿論ピアノも例外ではありません。

先日の弊社スタッフブログでもご紹介がありましたが、特に気温の低い時期、調律の状態というのは顕著に変化します。

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写真では変化を感じやすい箇所を矢印にしてみました。

簡単に申し上げますと、気温が変化した際、低音の巻線を境に変化が出てきます。


例えば上のピアノ、スタインウェイD274では、巻線の位置は最低音から数えて20番目「E(ミ)」の音です。21Fからは通常の弦(真線)になります。
気温が低いなか、この21Fから上の音域にかけてピッチが高くなります。

この巻線の位置は機種によって違いますので、変化する箇所も違っていきます。
下のピアノはスタインウェイO180ですが、26B♭が境になり、機種によって変化する位置が変わってくる事が分かります。


さて、この様に気温によって高くなってしまった調律、実は通常の温度に戻すと直ってきます。

それを気付かずに、上がった箇所を「上がって狂った」と思って下げて調律しますと、状況によっては大変な事態になります。

例えば調律する時の気温が低く(気温の低い場所にピアノが置かれていた等)実際演奏する時の気温が高くなる場合、気温によって狂っていた箇所をピアノが温まっていないまま調律してしまうと、実際演奏する時に逆に下がりすぎてしまって調律が余計におかしくなってしまう、という事があります。


先日のブログにもあった箇所を含め、これは上記以外にも変化する所はみられますので、要所をキチンと確認し気温(湿度)の変化を必ず意識・確認しながら作業を実施する必要があります。



文章:桃太郎




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