スタインウェイの保守点検(2) [スタインウェイピアノ]
さて、先日の続きでスタインウェイの保守点検について一部ご紹介していきます。
こちらは鍵盤を全て外したところ。
「筬(オサ)」と呼びますが、この筬に鍵盤ピンなどが立ち並んでおります。
以前別のブログでもご紹介しましたが、この鍵盤ピンの状態がタッチ・音色にも影響しますので綺麗にしておきます。
同時にピンの前後傾きもチェックし、整然と並んでいるかをチェック。
もちろん清掃もしっかりと。
これは鍵盤の裏。
意外と鍵盤の裏の木部も汚れている事があります。別パーツである皮のカスの様な物が入り混んでベタベタしてますので綺麗に除去します。
鍵盤を取り付けたら、鍵盤のクロスの固さ(スティック)チェックをし、鍵盤の支点である穴(ホール)の固さも確認。
ホント色々やる事があるんですよ。
さて、ピアノ本体側もお掃除。
鍵盤+アクションがごっそり外れてます。
響板の上やフレームにもホコリがたまってきますので一気にお掃除。
鍵盤が乗っている台「棚板」も細かい隙間にゴミやホコリが入ります。
ついでに金属部品などで黒ずんだ所も綺麗に。
お掃除が完了したら本体の各種取付ネジなどの緩みも確認。キャスターも緩んでいる事があるんですよ。
お掃除+調整の終えた鍵盤筬にアクションを取付けていきます。
スタインウェイのネジですが、古いタイプはマイナスネジなのに対し、現在はポジドライブという形状を使っています。
従って、使用するドライバーもポジタイプで作業します。
さて、次からは各打弦機構の調整に入りますが、ここまで来た時点で結構「音・タッチ」が変わってきてるんです。
こういう所が保守点検の楽しい所だったりします。
文:桃太郎