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スタインウェイの保守点検(4) [スタインウェイピアノ]

以前より書き綴っておりましたスタインウェイ保守点検のお話ですが、さすがに長くなってきましたので今回で最終回です。

7CAE2765-073E-46FC-8FF5-196BEB4458E6.jpeg早速ですが、こちらは「ハンマーストローク調整」と言います。打弦距離調整とも言いますが、ハンマーと弦との距離を測定し適切な状態にします。

写真では専用の定規を当てて測っていますが、こちらも鍵盤深さと同様、メーカーや機種などによって値が変わってきます。おおよそ46〜49ミリ位の設定にはなりますが、鍵盤深さとの関係が密接ですのでタッチ感や運動量、パワーやコントロール性など置かれている環境も考慮し適切な寸法に揃えていきます。

1DB69FC2-F7EA-4740-9AD3-7A576079FA11.jpegジャック調整に入ります。

連打性や細かいニュアンスが出せる様に調整します。

しっかりと部品を見て正確な位置にセッティング。

以前も伝えましたが調整をする度に「調整前・調整後」を確認します。タッチや音の変化を確認しながらすすめる事に意味があります。


8C071EC2-DD7F-4698-95A0-864251AD532A.jpeg次の写真ではハンマーと弦の最接近距離を調整しています。

こちらもピアノメーカーや機種によっても変わりまして1〜3ミリ辺り。

スタインウェイの適正距離がありますので従って全ての接近距離を揃えていきます。

この調整は特にピアニシモから下の弱音領域の音色・表現力にも影響していきます。

この作業も目を凝らしていく作業です。特にフルコンは姿勢もキツく腰にキマス。


さてさて色々と解説してきましたが、とりあえず今回シリーズはこれ位にします。

もちろんまだまだこの先も重要な整調も多く、音を止めるダンパー調整や更には音色を作る整音もあります。

本当に多くの部品から構成されるグランドピアノ。

そしてスタインウェイともなりますと更に高度な精度や状態が求められます。


また機会があればお伝えしたいと思います。


文:桃太郎





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