鉛筆・消しゴム置き場の隠し機能 [ピアノのこと]
写真はピアノの鍵盤と本体部分。
この鍵盤の両端に付いている部品について今日はお話を。
写真は高音側ですが、鍵盤の横の「台」の様な部分。
よく鉛筆や消しゴムなんかを置いちゃう場所。最近はスマフォを置かれる事も。
この部分は「拍子木」といいます。
拍子木といえば、いわゆる「カン!カン!火の用心、マッチ1本火事の元!」というアレです。
って今、ソレあまり聞かないですよね。
でもピアノの拍子木はカンカンに使用しません。
早速外して解説しましょう。
写真2枚目は拍子木を外した所。
鍵盤が乗っている台「オサ」が見えます。
オサからピョコンと銀色の丸棒が出てますね。
この丸棒が非常に重要。
この丸棒に拍子木がセットされる事で、鍵盤はもちろん内部のアクション全体の位置が決まってきます。
写真3枚目は拍子木の側面。
普段隠れている位置になんやら色々おるおる。
拍子木側面に付いている金色金具に先程の銀色丸棒がセットされます。
このセット具合によって決まってくる項目の一つがハンマーの打弦点。この拍子木金具が前後する事で内部アクションを手前や奥に位置移動出来ます。
つまり張ってある弦に対して、ハンマーの打弦位置を変える事が出来ます。
さらにこの金具は上下出来ますので鍵盤が乗っているオサの接地具合を調整出来ます。
オサの抑えは強すぎても弱すぎてもダメです。
そして拍子木側面に付いている「マイナスネジの頭」、このネジ頭の出具合によって「シフトペダルの可動範囲」が決まります。
シフトペダルは踏み込む事で鍵盤が右にスライドしますが、そのスライド量がここで決まる訳です。
一見ただの外装部品の様な拍子木、実はこんなに重要な部品だったのです。
今回お話しました拍子木はグランドピアノの物になります。アップライトピアノでは上記の調整機能は付いておりません。
文章:桃太郎