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鍵盤の重さを揃える鉛(なまり)とは [修理・調整]

タッチについて「重い」とか「軽い」とか色々言われる事があります。
各鍵盤調整や整音、環境の状態などによって色々左右されるタッチ要素ですが、しっかりと調整を行えば基本的には「弾きやすく」なります。

が、さらにさらに細かく追及していくと鍵盤の重量調整も重要な要素になります。

image0.jpg鍵盤の横には円形の鉛(なまり)が入っております。(写真)

各鍵盤が均等に上がり下がりするよう鍵盤側面に埋め込まれているのですが、鉛のサイズ・大きさ(重さ)も適切に計算し埋め込む必要があります。


写真の鍵盤は一見すると鉛がバラバラに入っているように見えますが、これは一鍵一鍵を丁寧に測っている為この様になります。大変時間がかかる作業ですが鍵盤タッチはとても均等になります。
はい、もちろんこの鍵盤はスタインウェイの鍵盤でございます。流石。


逆に多くのピアノメーカーは生産性を重視しますので、一定の法則性に従って機械的に埋め込まれています。


image1.jpgちなみにスタインウェイでは鍵盤の重量は音域によって「何グラム」と決まっています。

写真の矢印の所を見て頂くと、鉛筆で「52」と書き込まれています。

これは最低音域の重量をしめしており、最高音域にいくに従って数字も変わります。もちろん記入してある数字も変わります。



さて、ピアノはもともと製造された段階での重量調整があいまいな場合もそうですが、経年変化や使用による消耗(特にハンマーフェルトの消耗)によっても重量は変わっていきます。

重量調整は鉛の出し入れをするまでに行っておかなければならない修理や調整が多く、手間もかかる作業ですのであまり一般的にされない作業なのですが、弊社ではオーバーホールなどでも重量調整をしっかりと実施しておりますので均一されたタッチ感で演奏する事が出来ます。

下記の弊社工房ホームページでも詳しくご説明しておりますのでぜひ。





文章:桃太郎

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