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ピアノからシャンシャン聞こえる? [修理・調整]

ピアノの調整をしていると様々な状態や症状に遭遇する事があります。

それらは演奏者(利用者)からご指摘される場合もありますが、訪問調律や点検の際に発見出来る事もしばしばあります。

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写真はピアノ内部にあるハンマーフェルト。

注目はこのハンマーの接着箇所。

動物のキリンで言うところ、頭部にあたるハンマーに対して首にあたるシャンク。

それらの接着箇所が今回問題

があった場所。


通常ここは接着剤でくっついておりますが、この接着剤が劣化してしまう事でハンマーが弦に当たった際に雑音を生じるのです。

症状が悪化するとハンマーがグラグラします。

雑音はアップライトですと意外に聞こえないのですがグランドでは分かりやすいレベルで、音が出ると同時にカチャっと聞こえます。これを我々調律師は「シャン」と言います。カチャっと聞こえますがシャンです。

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シャンが出ると雑音を伴うばかりか音色を損ないます。

という事でシャンはさっさと修理しないといけません。

ハンマーとシャンクを一旦バラして再接着します。

一般的なメーカーはボンドを使いますが、写真の様なスタインウェイピアノは「ニカワ」という接着剤を使います。

一般的にボンドは取り扱いが楽なのですが、接着が柔らかく音色に影響します。

ニカワは扱いが難しく手間がかかるのですが、接着がカッチリと固くなりますので音色の向上につながります。

そんな訳でニカワは大変ですが、ピアノに合わせた修理が鉄則ですのでニカワにて再接着。


細かいパーツの多いピアノですが、それらの状態変化は見て分かる場合もあれば耳や指先でしか発見出来ない事もあるのです。


文章:桃太郎



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