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ハンマーフェルトが残り無くなると? [修理・調整]

暑い日が続きますが時期的には残暑だそうで、いつになったら涼しくなるんざんしょ。

さて、残りの夏がいつまでかも気になりますが先日見たピアノパーツがこんな状態に。

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これは弦を叩いているハンマーです。

材質は羊毛、つまりはフェルトなので使えば使うほど弾けば弾くほど消耗します。


写真では弦の跡がしっかりついて溝の様になっております。

本来理想は卵の先端の様な形になっている方が良い音が出るのですが、この様に変形していってしまうと音色がコントロールしにくくなります。

この様な状態になったハンマーは削って整形し直してあげる事で、ある程度状態を回復させる事は可能なのですが、やはり大きさが小さくなっていってしまいますので何度も何度もは削れないのが実際なところ。

特に高音域のハンマーは小さいので、かなり慎重に判断しないとフェルトの残りが尽きていきます。

では、フェルトがこれ以上無いという所までいくとどうなるか?

それは単純に木が出てきます。そうなると木で弦を叩きますのでそこからは違う楽器にクラスチェンジするという訳、ないでしょう。弦が切れますし壊れます。ですからフェルトが尽きるまで使い続けてはいけません。

では過度に消耗変形したハンマーはどうするか?それは単純に新しいハンマーに交換してあげれば大丈夫です。

なおハンマーフェルトはピアノ一台分での交換になりますので減ったハンマーだけ交換という作業は出来ません。


さらに、それだけ使い込まれたピアノですから弦やチューニングピン、ダンパーフェルトなど他にも様々な部品が消耗しておりますので、総合的な修理いわゆるオーバーホールをおすすめしております。


文章:桃太郎

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