RENNERとボールペン [職人]
わたくし、職業は調律師でありますが、仕事上この様に文章を書く事もしばしば。
学生時代、作文や感想文は得意な方ではありましたが日常などを綴るブログというのは、いやはや大変であったりします。
しかし、今や文章作成はPCが殆ど。でも時には直筆で書く事も大切であると日々思います。
文章を書くペンにもこだわりを持つ。
良いことです。
ちなみに私のペン選びの基準は、ペン廻しがやり易いかどうか。重さ、重心のバランスで選びます。
はい、写真のペンではペン廻しは出来ません。
が、素晴らしいデザイン。廻したらダメだと思いました。
「messmer-pen」、ルイジ・コラーニデザイン。
そして、さらにそこへ「RENNER」の文字。
今回は社内におもむろに転がっていた このペンについて。
まずは、ごめんなさい、正直 ペンについてはあまり存じ上げなかったですが、RENNERはピアノパーツメーカーですので良く知っております。
こちらのすごくスタイリッシュなペン。
持った感じは羽根ペンを持ったような感触。指にしっくりくる材質感。と共に、何とも不思議なバランス感。ちょっと病みつきになります。
クルクルと字が舞い踊りそうです。
さて、RENNERはピアノパーツの老舗。
写真はペトロフピアノ。
アクションはRENNER製。
ハンマーのウッド部分にもRENNERの文字。
精度に確実な評価があるメーカー故、タッチは素晴らしいものがあります。
是非その違いは実感して頂きたいと思います。
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さて今回ご紹介しましたペン。残念ながら弊社では販売しておりませんが、RENNERアクションは実際にご覧頂けます。
ご来店お待ちしております。。。m
究極のピンセット [職人]
一日あたり、秋と呼ぶにふさわしい空気が占める割合も多くなりました。
ここからあと一月も数えれば否応でも紅葉が楽しめるでしょう。
どっぷり秋よりも、この季節の狭間が良かったりもします。
さて、勝手に巡る季節と共に、それでも技術向上、作業効率化を日夜模索。
仕事は生きがいですから。
先日、大変お世話になっている調律師の方から写真のような工具を頂戴致しました。
ピンセットです。
通常は真っ直ぐな先端ですが、こちらはこの様に湾曲しています。
と、そこはそんなには珍しくありません。
このピンセットで注目すべきは先端の処理。
ダイヤモンドが入ってます。先端の掴み具合がもう芸術の域。
それに伴い操作性も抜群。
いろいろなピンセットを試してきましたが、これほど秀逸な物はなかなかありませんでした。
もちろん価格もピンセットとは思えないびっくり価格だそうで、納得。
技術も道具も自分一人では向上出来ません。
先輩方にアドヴァイスを頂き日夜努力です。
ありがとうございます。。。m
調律師のハンドメイド工具 [職人]
猛烈な残暑。 だそうです。
実質、暑中より残暑のほうが長いそうです。
でしたらもう、いっその事 一つにまとめてしまえば、なんてボヤいてます。 この頃。
無駄に日焼けし、無意識に疲れた顔をしていないかと日夜「鏡」に問いかけます。
ほい来ました。 キーワード、「鏡」。
人間の視覚とは何と狭く不便に出来ているのでしょう。
他の生物は欠点を補う為、生存の過程で日々進化しているというのに・・・。
さてと、作業風景の写真ですが、これは弦振動を止めますダンパーの調整です。
鏡が置いてあります。
この作業、ダンパーが真っ直ぐ、且つ手前と奥が同時に動くかを注意深く調整しなければなりません。
人間のそれはそれは不自由な視覚をあっちこっち動かさないように鏡を使います。無駄に視点を移す事無く。
横向きにすれば広範囲もカバー。
なんて、この鏡は100円ショップで買ったものに土台を取り付けた私のお手製。
調律師によって道具はその人の手に合うように作り直されます。
結局、市販の道具では作業性が伸びない事が多いのです。
ちなみに写真手前の「赤いフェルトに覆われた工具置き」も私お手製。
でも実はこの様な工具・道具はいつぞやの研修や先輩調律師のものを真似たりしている事も事実。
常にあらゆるものから吸収させていただいております。
視野は広く、ですよね。。。m
技術者としての、 [職人]
この仕事をしていると常々痛感させられる事が多いです。
技術と向き合っている時、自分自身の欠点、短所を目の当たりにしながらもそれらを補えなく、はやる気ばかりがかえって足かせになり自己嫌悪に。
調律師の仕事は手先の仕事が多くあります。
様々な道具があるなか、写真のような刃物を用いる事もしばしば。
刃物は常に砥がれ切れ味抜群の状態で時を待ちます。
― 導入部へ、ダ・カーポ。
そうです、刃物でスパッとやりました。指を。
よく砥がれた刃物は素晴らしい仕事をしてくれます。
切れ味抜群な刃物での怪我、痛みはかなり後からやってきます。指が切れた事さえ感じさせません。
道具を上手く使いこなしてこそ一流。
道具に申し訳ありません・・・。
まだまだ未熟者の自分。反省。
また、つまらぬ物を切ってしまいました。。。m