調律の音は癒し効果? [調律]
普段中身の見えないアップライトピアノ。調律にご訪問して外装各種を外しますとお子様が、
「すごーい、弦が沢山並んで“ハープ”みたい」
なるほど、確かにそう見えますね。
斜めに張られた弦と駒のカーブが美しいです。
先日コンサート調律に伺った際、オーケストラ内にセッティングされたピアノでしたが隣にハープがセッティングされていました。
私はそのピアノを調整しておりましたが、お隣でハープ奏者さんが♪ポーン・ポーンと調律。
ハープの美しい形とあの優雅な音色に満たされた現場で癒されておりました。
そういえばピアノ調律中も寝てしまうお客様がみえますので、調律の音って癒し効果があるのかな〜と思いつつ毎日調律をしている癒し系?調律師です。
文章:桃太郎
冬の調律、夏の調律とは [調律]
寒い日が続きますね。
こうも寒いが続くとピアノへの影響はもちろん出る訳ですが、そのピアノの状態は気候の変化・空調の変化を意識する必要があります。
昨年の梅雨を覚えていますでしょうか?昨年は梅雨期間が長く雨量も多くジメジメMAXな時期でした。
そんな時期に「ピアノの音が出ない」との事でお客様よりお電話をいただきました。
さっそくお伺いしピアノを見てみると部品の動きがかなり悪くなっておりました。
調律の状態も多湿特有の狂い方になっており、流石にこのままの調律だと弾いてて気持ち悪いな…と思いましたが、「いま多湿である事→→今後除湿された時」を考慮しあえてこのままに。
お客様には“多湿が原因ですので除湿を心がけて頂く”様にご説明しました。
実はこちらのお客様へは毎年1月にずっとお伺いしており、調律や調整の状態は把握しております。
という訳でこの冬あらためてお伺いしましたら、調律はいつもの音にバッチリ戻ってきておりました。
もし昨年の梅雨に慌てて直していましたら、この冬はその反動を受けて調律がズレていた事でしょう。
それでも「調律の必要が無い」という事はなく、やはり年間を通して温度(湿度)の動きはしっかり出ましたので、変化の傾向を考慮しつつ適切に揃えていきます。
ピアノを弾いていて「さすがに変だな」と思った際は、もちろんご連絡下されば直ぐにご対応致しますが、一旦“温度・湿度”の状態をご確認ください。
文章:桃太郎
ママ!?鍵盤がバラバラだよ! [調律]
「ママ!?鍵盤がバラバラだよ!」
お子様に時々言われる事なのですが、調律作業にお伺いした際に鍵盤を外していますとその光景にビックリされます。
「あ〜ピアノ壊してる〜」や「もう音出なくなっちゃうの?」などなど、お子様方それぞれのリアクションはとても純粋です。
そんな鍵盤を外している当の本人は、鍵盤下のホコリの様子はもちろん虫食いや金属部品の錆・汚れなどチェックしております。
が、鍵盤の下からお子様の物であろうシールやクリップなど発見次第、それをお渡しし「あ〜ソレ、ここに落ちてたのか〜」というリアクションを頂きほっこりしてます。
写真はグランドピアノの鍵盤が乗っている部分。
ご覧のとおり、オサと呼ばれる木枠に金属部品やフェルト系パーツが並んでおります。
普段見えない鍵盤下は、気が付かない間にこれらの部品へ汚れなどの影響が出ています。
写真は、外した鍵盤が並んでいる様子。
グランドではこんな感じ。アップライトではピアノの屋根の上に乗せますが、確かにバラバラになった鍵盤はなかなかの光景です。
お子様に「壊してる〜」と言われてしまうのもうなずけます。
私「直しとるんやで〜」
文章:桃太郎
2021年も充実したピアノ生活を [調律]
あけましておめでとうございます。
2021年がはじまりました。昨年は今更述べる事の無い程大変な1年なりましたが、今年は希望の見える1年になるよう願っております。
そんなコロナ禍の中でしたが、調律へご訪問して多くの方が「ピアノがあって良かった」とお話をして下さいました。
もちろん発表会やコンクールなど多くのステージが無くなってしまい、モチベーションが下がってしまったという方もみえましたが、自粛期間をはじめステイホームの影響もありピアノと向き合う事で充実した「趣味」の時間を楽しめたそうです。
これは私自身も実感しており、今までの練習メニューを再考したり、弾きたかった曲に挑戦する良い機会にもなりました。
ホント、あらためてピアノ・音楽の力を実感しております。
さてそんな私ですが、家でピアノを弾いてますと家ピアノの狂いがひどい事も。(お〜い、調律師だろ〜(汗
やはりしっかりメンテされた良い音でピアノ練習をするとさらにモチベーションもあがるものですので、皆様もピアノ調律はしっかりご依頼下さいませ。調律されたピアノの演奏は本当に気持ち良いものです。
まだまだしばらく続きそうなコロナ禍ですが、充実したピアノライフをお過ごし頂きたいと思います。
そんなお手伝いを今年もしっかりと行って参りますので是非とも本音も宜しくお願い申し上げます。
文章:桃太郎
ピアノ調律に適した時期なんてあるの? [調律]
調律に適した時期というのはあるのでしょうか。
この時期、暑さも湿度も落ち着いた過ごしやすい時期ではあります。
が、これから気温も下がっていきますし、エアコンで室内を温めれば乾燥がすすんできます。
が、これから気温も下がっていきますし、エアコンで室内を温めれば乾燥がすすんできます。
写真をご覧下さい。
これは今年の冬、ホール調律の際に撮ったもの。
ホールでは通常442Hzで調律しておりますが、ご覧の様に測定すると443Hzになっています。
気温にご注目頂くと17℃。寒いですね。
この様に気温が下がってピアノが冷えてきますとピッチが上がってくるのです。
もちろん気温が上がってきますとピッチは下がってきますので、ホールではステージ空調や照明で温まって442Hzに落ち着いてきます。ですからこの気温下で443を下げてはいけません、本番中に余計に狂ってしまいます。
この様に季節的な変化や空調の状態によってピアノの状態は随時変化しますので、ご家庭での調律は「いつやるか」というポイントより「今どの様な状態で、それが何きっかけで発生したか?そして今後どの様な変化をもたらすか」まで考慮する必要があります。
状態の変化(狂い)が大きい場合は、また反対の時期に大きく変化する恐れがありますので必ず原因を追求・改善しないと「イタチごっこ」が続く事になります。
そんな環境下ではせっかくのピアノも価値ある状態で弾く事が出来ず非常に勿体なく、演奏者の練習の妨げにもなりますので注意が必要です。
私たちの仕事はピアノのケアも当然ですが、定期訪問をしながら「設置環境」もアドバイスしていく事でより良いピアノライフをご提案しております。
文章:桃太郎