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ボストンピアノの大きさの秘密 [ボストンピアノ]

ピアノの音を決めますのに必要な要素は様々あります。

弦やハンマーの質はもちろん、各パーツの材料から細部にわたる設計まであげ出したらキリが無いです。

とりあえずパッと見の印象「大きさ」でお話をしますと、アップライトピアノは背の高さグランドピアノは奥行き、というところに音を決定する要素があります。
アップライトの背の高さはだいたい120cmから130cmくらいです。小さい方は120よりまだ10cm程低いタイプもありますが、大きい方は130cmより+1〜2cmといった具合。これ以上大きくなりますと圧迫感もすごいですね。高さ200cmのピアノとか想像してみると もう石碑の様でしょう。
そんなに背が高いと調律も大変です。足が長いで有名な私も流石に大変ですよ。ハハハッ、ぁ〜ぁ、・・・

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 さて、グランドピアノは奥行きが長くなります

小型ですと155cmくらいから、フルコンサートグランドになりますとスタインウェイDモデルで274cmです。

奥行きが大きくなればそれだけ理想的な音やタッチも得られますが、設置場所が限られてきますと現実的ではありません。

設置するお部屋に合わせての選択になっていきます

ところで。写真のピアノ、スタインウェイブランドであります「ボストン」ですが、こちらのピアノは大きさに特徴があります。

実は ボストンのグランドピアノの響板は、奥行きが幅広にとってあります。ご存知でしたか?
これは「ワイドテイル設計」と呼ばれ、例えば178cmのボストンの響板面積は 他社ピアノの190cmクラスの響板面積に相当します。実際に弾いてみますとこの違いはよく実感出来ます。

14322729908401.jpg 特徴的なところでアップライトからも1つ。

アップライトピアノの背中、裏側は普段 壁に面しており、月面ほどではありませんが その姿はなかなか見られません。(月面は地球に対し常に同じ面しか見せず、それは実は月の裏側に秘密基地があって・・・)

もしピアノの背中を見る事があれば、そこにあります柱の状態をご覧になるとなかなか面白いですよ。

写真はボストンのアップライト。柱(支柱)が見えますが、コレ、不均等に配してあるんですね。
ピアノにかかる弦張力、特に高音域により応えるためにこの様になっております。もちろん響板をしっかり保ち耐久性・安定性も抜群です。縁の下の力持ち的な存在でっせ。

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最後の写真の2台はヤマハのアップライトピアノです。

通常のタイプとXタイプの支柱ですね。 

各社、各機種、比べてみますと色々違いますねコレ。 

他にも響棒(写真で言いますところ、響板へ斜めに取付けてある棒)の様子も違います。

この写真の向かって左端から2番目の響棒なんかは良く見ますと角度が違うの分かりますか?

こういう所も観察してじっくり見ますと、ピアノへの関心も高まり色々と楽しくなります。
それが各社・各機種、更には製造年によっても様々違ってきますから、もうピアノを謎の生き物のようにも感じます。月の裏側にもあると良いですね。

 

写真と文章:桃太郎 

 

 

 


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