こんなハンマー絶対おかしいよ [ピアノの管理]
ゴールデンウィークも、もう終盤でございます。
何だか天候の落ち着かない日が多いですが、連休のエピローグにむけもう少し落ち着いて欲しいものです。
さて、現在修理中のピアノのハンマーフェルトをご覧ください。
よく弾かれております為、ハンマーに弦の跡がしっかりついています。
ピアノは弾いてなんぼ、ハンマーは当然消耗します。たとえば車のタイヤと同様です。
しかし、こちらのピアノは、その消耗の仕方に問題があります。 各ハンマーの間隔にご注目ください。
間隔がバラバラですね・・・。ハンマーの位置がずれてしまっているのです。
ズームしてみました。
ハンマーに弦の跡がついているのが分かります。が、明らかに弦の跡もずれています。
これは、ハンマーの位置がずれてしまっている事により、正しく弦に当たっていない証拠。
これでは音色はひどいものになり、表現力も全く出ません。それにハンマー自体にも良くありません。
しかし、このような状態になるのは原因があります。
この様にハンマーの位置が変わるのはある程度仕方ない事でもあります。
ピアノは湿度等の環境変化によってパーツの位置が変わる事があります。
そして、それを適切な状態に直し、本来の状態に直していくのが調律師の仕事になります。
定期的な調律が必要なのは、この様な部品の変化も修正するからです。
調律師が直すのは、何も音だけではありません。今回の様なハンマーの位置はもちろん、タッチや音色等、調整項目は数多くあります。
調律をしないで使い続けると、ピアノは悪い方向に進む一方。
きちんと手を入れてあげないと、そのピアノが持つ本来の力を発揮出来ません。せっかくのピアノが勿体無いですね。不揃いな音、不揃いなタッチは練習の妨げになります。それは上達の妨げになります。
ピアノが上達しないのは、ご自身のせいではなく、ピアノに原因がある事も・・・!
良い道具なくしては、良い仕事無し。
定期調律はピアノの為でもあり、プレイヤーの為でもあります。。。m