SSブログ
メッセージを送る

ペダル、斜めってます [修理・調整]

 時々思う事があるんです。

「ピアノについて何か気になる所などありませんか?」
調律にお伺いした時、まず はじめにお客様にご質問します。

 もちろんそこで、気になる症状やご要望などを伝えて下さる方もみえます。
逆に、特に無いようでしたら、基本的にお任せ頂きます。

 ・・・さて、、
ピアノの歴史を紐解いていきますと、その昔は ピアノ職人が 工夫や趣向を凝らして制作したピアノを、その「時の人」である アーティストに使って貰い、
アーティストはまた、その「より近代化していくピアノ」にインスパイアされ、あらたな楽曲を生み出していく・・・
そしてまたピアノ職人は アーティストの新たな要望を叶えるべく、試行錯誤が繰り返され〜・・・
なんて構図が垣間見れます。

現在「調律師」という職業は アフターサービスにより、ピアノ及びユーザーを支えております。
しかしながら、先に触れた「ピアノ技術者とアーティスト」が互いに刺激し合って 新たな高みへ向かっているという構図は少し変わってきているのではないでしょうか。

ピアノ調律技術の基本や手順等は、今や それに準ずる専門機関などで学ぶ事が可能です。
製品として市場に出たピアノを そのマニュアルに従ってケアしていけば、そんなに大きな問題が発生する事は少ないかもしれません。しかし それだけで良いのでしょうか。
つまり これは「受け身」の状態であり、視点を変えれば「安定」かもしれません。
しかし、やはり ピアノ技術者もその技術や発想でアーティストを刺激していかなければ ならないのではありませんか。

〜 なんて事を、時々思ったり。

13962410239291.jpg

 とりあえず写真。

調律訪問時の事、
グランドピアノのペダルが「斜め」に傾いているではありませんか。

他社で最近中古で購入されたそうで、私が伺うまでに数回 そちらから調律師が来てたそうです。

でも この「ペダルが斜め」に関しては特に何も触れられず。
しかも、お客様の方は、まだ補助ペダルが必要なお子様が ご使用されている限り。

最近ペダルを使い始め、斜め状態に気付かれたそうです。
とりあえず ペダルを外して中身を 確認 確認・・・

んで、上の写真です。簡単にご説明しますと、
ペダルの左右に「白い樹脂製」の物がありますね。
これらは言わば、「軸」みたいな物です。

よく写真をご覧あれ、
左右で高さが違うのです。これ、片方が「逆さま」に入っちまってます。
で、斜めってしまってた訳です。

写真はシフトペダルですが、ダンパーペダル側は両方逆さまで、非常に踏み辛くなってました。
おそらく 修理・クリーニングの時でしょうか、ペダル磨きの際に外して 再び取付る時に誤ったのでしょうか。

時々、調律師が 現場で何とか修理する為に、その場で工夫してるのを見ます。
それはそれで、その状態を見れば「なるほど こうしておいたのか」と納得は出来ますが、今回はそうでもなさそう。もちろん、先ほどのペダルは部品を正しく取付けたら バッチリ直りました。

お客様から指摘されなくても、普段からピアノをさわっていれば簡単に気付く違和感はとても多いです。
が、調律師がユーザーの目線からも考えないと、意外な事を簡単に見落とします。

そしてアーティストの方から教えられる事は、また さらに多いです。

長くなりました。それではm 

 


スタインウェイをはじめ、ピアノのことならお気軽にご相談下さい!
→ 名古屋ピアノ調律センターのホームページへ
 共通テーマ:音楽