ヤマハW201入荷しました! [ピアノのこと]
修理工房のインスタグラムで更新がありましたが、ヤマハW201をお店で展示中です。補足も兼ねて、ブログでもご紹介します。
ヤマハの高級器種で、スタンダードなモデルの2倍以上の価格で当時販売されていたモデルになります。同時期にW202というピアノも出ていて、W201はクラシカルなデザイン、W202は近代的なデザインといった感じで出ておりました。W202についてはまたの機会に。
W201の外装には、正面、側面ともに平面ではなく、一手間かかったデザインです。譜面台も、大きく手前に引き出すタイプなので、楽譜の見やすさ、音の聴きやすさでお客様から喜ばれるポイントですね。
外装の仕上げひとつとっても、通常は、まっすぐな部分に曲線や段を出していたりと、細かいところまで手をかけてあるなぁと思います。例えば、脚。
通常の脚だとまっすぐですが、
W201はすこしくびれています。
こだわりは見た目だけではありません。同じ形をしていてもより良い素材が使ってあったり、通常は採用しない設計を採用したりと、色々とこだわって造ってあります。パッと見た目でわかりやすい箇所であげるなら、アグラフとX支柱でしょうか。
アグラフは、写真中央に見える弦が通してある穴の空いた金色の部品です。通常グランドピアノに採用されていますが、ヤマハの高級器種には採用されていることもあります。穴に通すことで弦位置が決まるので、弦が左右に動いてしまうことを防げます。
X支柱は、ピアノ背面の支柱が交差状X型になっているのが特徴です。より、ねじれやそりに強くなり全体をがっちりと支えてくれます。その結果、耐久性、音の伸びやかさが得られました。1990年代を最後に、廃盤となってしまった設計なので、中古ピアノでしか手に入らないものではあります。
より連打性を図るため採用されていた板バネについては、雑音やタッチへの影響が出てしまうため、後々採用されなくなりました。こちらのピアノは、当社工房にて、通常の仕組みに変更をし直してありますので、指先に不快なく弾いていただけます。内部構造の話になってしまうので、簡単な紹介にとどめますが、詳しく知りたい方がいらっしゃれば店頭でご説明いたしますので、ご来店の際、ご質問ください。
調整も完了していますので、常時ご試弾いただけます。ピアノ本来の良さが感じられる一台に仕上がっています。より良い中古ピアノとは、音とはどんな感じなのか、ぜひ、ご体感ください。h