ピアノに穴！？

普段、お店にいるスタッフはスタインウェイのエプロンを着けて仕事をしています。

先日、マイエプロンのポケットに小さな穴ができていることに気付きました。どうやら縫い目のところがほどけてしまった様子。

ボールペンやメモ帳だけでなく、時にはハサミやドライバーなど鋭利なものもいれていたからかなぁ…と少し反省しました。

縫い目がほどけただけなので縫えば使えるのですが、あまり裁縫が得意でないことを「時間が無い」と言い訳して、どうしても後回しにしてしまいがちに。 せっかくなので、新しくしてしまおうと予備の物を使う事にしたのですが、「穴」でふとある事を思い出しました。  

 

たしかあの時の写真が残っているはず！と、帰ってから写真のデータを整理してみたところありました。

この写真、お分かりになりますでしょうか？
まわりが映り込んでいたり、手前に物があったりするので少し分かりにくいかもしれませんね。

真ん中にある黒いものは、ピアノの外装です。
そして、よく見ると右側に「穴」があいています。

決してエプロンのように使い続けたからあいた穴でも、かといって不注意であけた穴でもありません。

こちらの写真は、数年前にとあるピアノ工場を見学した際に撮った1枚です。穴があいている印象が強すぎて、何故こうなったのかというのを忘れてしまったのですが、製造過程での基準に満たない点があった為だった気がします。

たとえ塗装まで終わっていても、少しダメなところがあればピアノにはなれないのです。

 

どのメーカーの工場を見学してもそうですが、ピアノが完成するまでには、木材選びから組み立てまで本当にたくさんの基準が存在します。
それらをクリアしてやっと完成したことを思うと、選び抜かれた1台1台を大事にしてあげたいなぁと思います。ｈ