鍵盤と目の間にあるもの [ピアノのこと]
ピアノを弾く時に何気なく視界に映る物というのはその時その状況で様々であります。
楽譜を見る、
手元を見る、
普通は見えない何かが見える、
という人もいらっしゃるでしょう。
普段自宅などで弾くピアノと他の場所で弾くピアノとの違いで考えますと、例えば、
鍵盤は、各メーカーで質感・材質が少々異なります。寸法もほんの若干違う事もあります。それも確かに違いではありますが、普段練習している楽器に比べて視覚的に映る物の違いは「鍵盤蓋」にもあったりします。
写真はアップライトピアノですが、カワイとヤマハの一部の機種に見られます蓋のタイプです。
写真上のカワイはグランドピアノの蓋タイプです。鍵盤に対して垂直に立っておりますので視覚的には鍵盤が反射して奥に写って見えます。
写真下はヤマハです。カワイに比べると蓋の高さも短くなりますが、そもそも構造が似て非なるもの故に視覚的にも随分違います。
写真の様に反射の無い艶消し木目でも目に入る感覚は違います。
まあ、「違和感」と言うまでの表現ではありませんが、ピアノの前に座って「さあ弾くぞ」と手を置く瞬間、
「あ、お家のと違う」 となる その感覚がその数秒後に発せられる1音に対してどの様に影響してしまうか、これは本当に心理的なものでもありますが、ピアノを弾く上で少し、大事なことかもしれません。
文:桃太郎