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スタインウェイのアレが無くなった [スタインウェイピアノ]

image1.jpgこちらはスタインウェイのフルコンサートD-274の側面です。

この写真で「あれ?」と気づいた方は相当な方です。


この側面、いわゆるリムに今までのフルコンには付いていた「ある物」が付いていないのです。


スタインウェイのフルコンは今現在少~しデザインが変わってきまして、譜面台や突き上げ棒などのデザインもそうですが、この「ある物」も無くなりました。


さて、この「ある物」は結構前にブログでも取り上げた「ある物」なのですが、その時の写真が次の写真。

14404658783620.jpg

これは「ピアノに付いている謎のノブ」として以前ご紹介しました。

この「謎のノブ」が今は無いんですね。

上の写真と見比べて頂いてお分かりになられたでしょうか?

デザインはその時その時で移り変わっていくものなのです。

なお、このノブは見かけてもぐりぐり回してはいけませんよ。


文章:桃太郎

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ピアノキャスターの確認 [ピアノの管理]

ピアノというのは実に多くの部品で構成されています。

調律というのは基本的に「音」を直すという事でありますので、ピアノ全ての部品を調律時に総点検する事は出来ません。

が、やはりどこか・いつかのタイミングで総点検すべきではあります。

FFB5EA58-E71C-48C9-9325-FFEA4DA6FD9A.jpegさて、コンサートホールのピアノは定期保守点検を行なっていますので、しっかりと時間をかけて部品の点検・調整をする事が出来ます。


ここでは意外な部品も点検対象になります。

写真はスタインウェイフルコンサートピアノのキャスター部分。

ご家庭のピアノキャスターと違って随分大きくなります。やはりあれだけの大きいピアノを舞台上で動かす訳ですからキャスターも横綱級。

実はこのキャスター、こんなに大きくしっかりとして見えますが、取り付け部分が時々緩みます。

特にホールではピアノを専用の運搬台車で動かす事が多いので緩んでいる事に気付かない場合もあります。

その様な事に備えて点検の時に確認する必要があるのですね。


ピアノは調律やタッチ、音色もとっても大事ですが、他の部品全てがちゃんとしていてこそ成り立ちます。


文章:桃太郎





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ピアノを劇的に良くする2つの調整 [修理・調整]

何だかそれっぽいタイトルではありますが、結構重要な要素ですので早速。

①ピアノを劇的に良くする2つの調整、其の一。

C6E1212D-D737-4B2C-8FB8-84898D4183BD.jpeg鍵盤調整。

鍵盤を外した際に鍵盤ピンが綺麗かどうかはかなり重要です。

写真の磨いている部分は鍵盤の支点となる箇所。

ここが錆びついていたりベタベタしている様だと鍵盤の動きはスムーズにいきません。

鍵盤ピンは手前側にもありますのでそれぞれ綺麗な状態にします。

鍵盤の各ブッシングクロスも適切な状態にし、キツすぎやガタガタはダメです。

これだけで「鍵盤に指がスッと溶け込む感じ」になります。

ピアノと指との距離感が近くなったと言われた事もありました。


②ピアノを劇的に良くする2つの調整、其の二。

AFB445F5-4B89-47E6-BF87-B05351D3EF09.jpegダンパー調整。

ダンパーは音を止めている部品。

ペダル操作時はもちろん、打鍵の際もダンパーは稼働しますが、ここがいかに正確に整然と動くかを調整します。

各音・各弦に対してダンパー全てが正確なタイミングで離れ、かつ正しく止音される。当たり前の様に聞こえますが、これがなかなか上手くいっていないピアノが多いです。

実はダンパー調整はかなり繊細で難しく、時間もかかりますので大変な作業の部類に入ります。

ダンパーのフェルト調整、始動調整、ダンパーストップ時の遊び調整、ハーフペダル、ペダルの踏みしろ等等、これら一連のダンパー調整がうまくいっていると、音が本当に変わります。

音を止める部品調整で、出てくる音が変わるんです。


もちろん他にも大変多くの調整があってピアノは構成されてますが、上記の2点は大変重要であり実は「基本」でもあるのです。


文章:桃太郎

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弦の張り方ひとつで [修理・調整]

ピアノは弦楽器ですので、弦が切れるという事は当然としてあります。

でも、ピアノ弦は太さ・硬さもありますのでしょっちゅうブチブチ切れる事はありません。

が、それでもまれに切れた時に我々調律師は弦の張替え作業が出来ないといけない訳です。

BF2E7F45-BD7C-42E5-8135-7903ABC02C1A.jpeg弦の張替えと一言で言っても実は中々の技術が要求されます。

例えば写真の弦をご覧下さい。

これはチューニングピンに巻きついている部分(コイル)なのですが、左の弦に比べて右の弦の方がピンへの差し込み角度が甘いです。

ここは左の弦の様にしっかりと鋭角に作らないと音が安定しません。

他にも張弦の仕上げ方には多くの精度やコツが要求されます。

それら全てが音の安定や耐久性にも繋がりますのであなどれません。


31410441-D6D4-4503-B3B8-EDDEF6D1864F.jpeg次の写真は、「弦は張ってある。※ただし張れているとは言っていない」という状態。

これは弦が途中で交差してしまい、にっちもさっちも行かない状態です。

音の位置は最高音の「シ」なのであまり使わないかも?ですが、まともに調律も出来ない状態。

この状態で使っていたそうですが、お客様にご説明し張り直しました。


張弦に限らず様々な作業は調律師の手作業による要素が多いです。

綺麗に張ってある弦は音も宜しいです。


文:桃太郎



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