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巻線と「なごや」の関係とは [修理・調整]

ピアノの低音域は巻線という弦が使われています。

巻線の本数はピアノや機種によって変わりますが、スタインウェイのフルコンサートピアノは最低音1Aから20Eまで巻線です。

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音によって一音あたりの弦の本数も違います。


3本弦で一音が7箇所

2本弦で一音が5箇所

1本弦で一音が8箇所です。


覚え方は「7」「5」「8」です。

そう、「な」「ご」「や」で覚えましょう。


という事で(?)、名古屋で巻線といえば「名古屋ピアノ調律センター」。

弊社ではこの巻線を自社製作しております。

世の中にある多くのピアノ調律師やピアノ工房のなかでも、この巻線製作まで出来るというのは中々ありません。

もちろん私自身も出来ません。弊社でも限られたスタッフしか出来ませんし、この辺りは流石専門職です。


文章:桃太郎


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【動画】音が出た後の音 [修理・調整]

ハンマーが弦を打った後の話ですが、そのハンマーがどの位置で止まるかで音が変わります。

ピアノタッチは「重い」「軽い」など、ある意味ストレートな印象で判断も出来ますが、弾いている事で判断出来る要素(表現力)もピアノタッチに含まれます。

AB8E6AAE-E0E3-4E77-980A-D2F6922EBBD7.jpegハンマーが止まる位置によって、連打性はもちろんダイナミクスや音色まで変わります。


ハンマーバックストップといいますが、この調整は鍵盤深さとも関係が大きいので鍵盤調整全般をとおして確認する必要があります。


なお、このハンマーを受け止める部品も使用頻度によって消耗が進みますので、交換時期が来たら修理してあげる必要があります。


さて、このバックストップ調整について私自身で解説しとりますので、動画もご覧いただければよりご理解が深まるかと思います。




文章:桃太郎

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重いピアノフレームをガンガン外す工房 [修理・調整]

ゴールデンウィークも真っ最中…というムードでは無い今年のゴールデンウィーク。

弊社も以前よりお伝えしておりますとおり、出来る限りの対応・体勢にて営業しております。


さて、それでもゴールデンウィークですので今回はゴールデンな話題。

29F2C10D-22DD-42A9-AEEE-5C7FCEF37340.jpegピアノにとってゴールデンな部分といえば、まばゆいばかりに輝やくフレームだと思います。

実はこの綺麗なフレームも経年変化でサビや傷などが目立つ様にもなります。

他にはオーバーホールなどの大掛かりな修理の際に、この堅牢なフレームをガバッと外す必要があります。

ピアノフレームは非常に重く、取り外し作業は容易ではありませんが、弊社では専門工房で取り外し修理を行なっております。


フレームが取り外せる事で、普段手の届かないピアノ本体の中心的な部分へ徹底調査と修理が出来ますし、長年蓄積された汚れなどもクリーニング出来ますので、あらためて上質なピアノを使い続ける事が出来ます。


このフレーム作業はショールームの方ではお見せ出来ないのですが、なかなかの圧巻。

弊社工房インスタグラムで様子を見れますので是非ご覧下さい。




工房インスタではマニアックな作業風景をたくさんアップしていますので、ピアノの違った一面が見れると思います。


文章:桃太郎



















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鍵盤の重さを揃える鉛(なまり)とは [修理・調整]

タッチについて「重い」とか「軽い」とか色々言われる事があります。
各鍵盤調整や整音、環境の状態などによって色々左右されるタッチ要素ですが、しっかりと調整を行えば基本的には「弾きやすく」なります。

が、さらにさらに細かく追及していくと鍵盤の重量調整も重要な要素になります。

image0.jpg鍵盤の横には円形の鉛(なまり)が入っております。(写真)

各鍵盤が均等に上がり下がりするよう鍵盤側面に埋め込まれているのですが、鉛のサイズ・大きさ(重さ)も適切に計算し埋め込む必要があります。


写真の鍵盤は一見すると鉛がバラバラに入っているように見えますが、これは一鍵一鍵を丁寧に測っている為この様になります。大変時間がかかる作業ですが鍵盤タッチはとても均等になります。
はい、もちろんこの鍵盤はスタインウェイの鍵盤でございます。流石。


逆に多くのピアノメーカーは生産性を重視しますので、一定の法則性に従って機械的に埋め込まれています。


image1.jpgちなみにスタインウェイでは鍵盤の重量は音域によって「何グラム」と決まっています。

写真の矢印の所を見て頂くと、鉛筆で「52」と書き込まれています。

これは最低音域の重量をしめしており、最高音域にいくに従って数字も変わります。もちろん記入してある数字も変わります。



さて、ピアノはもともと製造された段階での重量調整があいまいな場合もそうですが、経年変化や使用による消耗(特にハンマーフェルトの消耗)によっても重量は変わっていきます。

重量調整は鉛の出し入れをするまでに行っておかなければならない修理や調整が多く、手間もかかる作業ですのであまり一般的にされない作業なのですが、弊社ではオーバーホールなどでも重量調整をしっかりと実施しておりますので均一されたタッチ感で演奏する事が出来ます。

下記の弊社工房ホームページでも詳しくご説明しておりますのでぜひ。





文章:桃太郎

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ピアノを劇的に良くする2つの調整 [修理・調整]

何だかそれっぽいタイトルではありますが、結構重要な要素ですので早速。

①ピアノを劇的に良くする2つの調整、其の一。

C6E1212D-D737-4B2C-8FB8-84898D4183BD.jpeg鍵盤調整。

鍵盤を外した際に鍵盤ピンが綺麗かどうかはかなり重要です。

写真の磨いている部分は鍵盤の支点となる箇所。

ここが錆びついていたりベタベタしている様だと鍵盤の動きはスムーズにいきません。

鍵盤ピンは手前側にもありますのでそれぞれ綺麗な状態にします。

鍵盤の各ブッシングクロスも適切な状態にし、キツすぎやガタガタはダメです。

これだけで「鍵盤に指がスッと溶け込む感じ」になります。

ピアノと指との距離感が近くなったと言われた事もありました。


②ピアノを劇的に良くする2つの調整、其の二。

AFB445F5-4B89-47E6-BF87-B05351D3EF09.jpegダンパー調整。

ダンパーは音を止めている部品。

ペダル操作時はもちろん、打鍵の際もダンパーは稼働しますが、ここがいかに正確に整然と動くかを調整します。

各音・各弦に対してダンパー全てが正確なタイミングで離れ、かつ正しく止音される。当たり前の様に聞こえますが、これがなかなか上手くいっていないピアノが多いです。

実はダンパー調整はかなり繊細で難しく、時間もかかりますので大変な作業の部類に入ります。

ダンパーのフェルト調整、始動調整、ダンパーストップ時の遊び調整、ハーフペダル、ペダルの踏みしろ等等、これら一連のダンパー調整がうまくいっていると、音が本当に変わります。

音を止める部品調整で、出てくる音が変わるんです。


もちろん他にも大変多くの調整があってピアノは構成されてますが、上記の2点は大変重要であり実は「基本」でもあるのです。


文章:桃太郎

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